彩色

彩色

文化財における彩色修理の作業は、まず既存状況の調査から始まります。
弊社が携わって参りました、過去の施工事例からの膨大な資料と経験豊富な職人の知識を基に、専門家との話し合いを重ねて修理方針が定められ、彩色された当初に倣った見取図が作成されます。


そうして得られた工法や技法、材料等の情報に沿って下地を作り、色を重ねて施工当時の姿を再現していきます。また、修理方針によっては現状の彩色がこれ以上劣化・剥落しないように剥落止めや保存の処理を行います。


文化財建造物の彩色に用いられている顔料の基本色は、白・黒・赤・青・緑・黄・茶と数は少ないですが、配色に補色や色の濃淡を多用することで、その仕上がりは非常に鮮やかな印象を与えます。
こういった先人が培った色彩感覚や、題材に込められた教訓・願いと向き合い、次世代に繋ぐ想いで一筆一筆描いています。