加工方法はいわゆる「お歯黒」の原理と同じく、硫酸鉄や酢酸第一鉄が五倍子粉(ふしこ)や柿渋などのタンニン酸と結合して黒くなる作用を利用し、木材を着色(染色)します。
主な作業工程は、まず木材に柿渋を塗り、乾燥させ、その上に酢酸液や醸造酢に鉄を入れて作った鉄漿(てっしょう)液を希釈して鉄漿水溶液とし、何回か塗布して褐色に反応させます。柿渋・鉄漿水溶液の濃度や塗り重ねる回数により木材を染める濃淡の調節や、あらかじめ木材に下色を着色し、染め上がりの色に変化をつけることが可能です。