植物性油には乾性油(固まる性質のある油)である荏胡麻(えごま)油、桐油などが用いられます。
これらを加熱加工して松脂(まつやに)を混合したものは「チャン油」、一酸化鉛(いっさんかなまり)を入れたものは「密陀(僧)(みつだそう)油」と区別しており、こうして作った油で顔料などを練って彩色したものを「チャン塗」「密陀彩色」「桐油彩色」と呼びます。
解説書などに記述される油の煮詰め方はさまざまで、中温(約100~180℃)で5時間から12時間ほど煮て空気を含ませて酸化させ、一酸化鉛を入れてから高温(約200~350℃)でさらに煮るのが一般的ですが、その温度や時間、数量は一定ではありません。
中には唐辛子や木綿を焼いた灰を入れるとした作り方を説くものも存在します。
松脂を入れることで艶と厚みのある塗装となると同時に、耐水性や平滑面(金箔)での剥落のしにくさなどが期待されます。