重要文化財

氣比神宮

けひじんぐう

所在地:福井県敦賀市曙町11‐68

工事名称:氣比神宮 大鳥居 美装化工事

工期:2016年11月5日~2017年12月31日

漆塗 錺金具

氣比神宮は、福井県敦賀市に鎮座する北陸道総鎮守越前國一之宮です。地元では親しみをこめて「けいさん」と呼ばれています。表参道で参拝者を出迎える大鳥居は、1645年(正保2年)に建立されました。高さ36尺(約10.9m)、柱間24尺(約7.27m)の木造両部型で、旧神領地佐度国鳥居ケ原から伐採奉納した榁樹(むろのき)が用いられています。

今回の工事では大鳥居の漆の総塗替を実施しました。仮設足場組立後に入念な調査を行い、堅固である場所や脆弱になっている場所を洗いだし、それらをもとに発注者・監理者・市役所と協議し、調査結果と現況から部材ごとに仕様を決定しました。全体的に直射日光の影響による劣化・風化が著しかったため、下記の通り施工しました。

〇西面本柱‥‥弁柄朱漆の中塗4回・上塗1回の仕様を採用
〇その他‥‥‥真掻合仕様、掻合仕様にて塗替
〇銅板部分‥‥穴あき箇所を板金工事で塞ぎ、旧塗膜を研磨し黒漆を数回塗り仕上げている
弁柄朱漆、黒漆は全て日本産の漆を使用。
弁柄朱漆は、取り外した金具下の確認できた痕跡から色味を考慮。漆の調合を行い手板を作成、現地にて暴露試験を実施しました。
(今回使用した漆の色味は、氣比神宮・総代・監理者・市役所にて協議し決定)
〇島木‥‥中央部正面・背面に菊紋章金具、両端正面・背面には桐紋章金具、三巴紋章が各2個ずつ取り付けられていた。塗替に伴い金具を取外した後、金箔の剥離が見られたため、金箔押(漆箔)補修を施しました。
〇中央扁額‥‥高さ約2m、幅1.5m。重さ推定180㎏。

扁額は取外し後、弊社日光工房にて漆塗・金箔押(漆箔)を施し、塗替え後に取付。
また、調査により発覚した貫材の腐食、控え柱貫の腐食を宮大工により補強・修理しました。

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