むなかたたいしゃ
所在地:福岡県宗像市田島2331
工事名称:宗像大社 辺津宮本殿・拝殿(へつぐうほんでん・はいでん) 保存修理工事
工期:2013年8月20日~2014年12月5日
玄界灘中央部の沖ノ島に沖津宮、沖合の大島に中津宮、玄界灘を臨む宗像市田島に辺津宮の3宮が鎮座する「宗像大社」。<平成ノ大造営>事業として、2013年(平成25年)より、各社殿と諸施設の改修、再整備が行われました。
第一次事業の「重要文化財辺津宮本殿及び拝殿保存修理工事」を(株)児島工務店が受注し、弊社は外部の漆塗、丹塗、彩色、錺金具の各修理を協力、施工しました。本殿は、前回の【昭和の大造営】から約43年ぶりとなる改修工事です。
本殿は、屋根の杮(こけら)葺が葺き替えられ、漆喰も塗り直されました。箱棟鬼板は黒漆塗です。柱上部から上は丹塗、柱上部から下は紅柄(べんがら)朱漆塗、破風板・桁隠しの彫刻と向拝・蟇股の彫刻には彩色を施し、羽目板の胡粉塗、各木口の黄土塗を塗り替えました。
拝殿は、屋根の杮(こけら)葺が葺き替えられ、羽目板と各木口(木口塗には若干の黄土を調合)の胡粉(ごふん)塗部分を塗り直しました。
錺金具は、本殿の箱棟(はこむね)廻りの金具が金箔押(漆箔)、本殿・拝殿の各破風板の八双金具(はっそうかなぐ)、釘隠し金具は焼漆で修理しました。鮮やかに蘇った各社殿は、美しさと荘厳さが感じられます。
文化庁、福岡県教育庁、宗像市教育委員会、設計・監理の(公財)文化財建造物保存技術協会にご指導、ご協力を頂きました。宗像大社のご担当の皆様には、天候に左右される漆の乾燥にご理解をいただき、祭事との調整など諸々ご配慮をいただきました。元請の児島工務店の皆様にも各工事間の調整にご協力をいただき、皆様のお力添えで竣工を迎えることができました。