亀ヶ池八幡宮

かめがいけはちまんぐう

所在地:神奈川県相模原市中央区上溝1678-1

工事名称:亀ヶ池八幡宮 社殿・神門 新築工事

工期:2013年3月29日~2014年8月31日

錺金具

「亀ヶ池八幡宮」は、神奈川県相模原市中央区上溝に鎮座し、鎌倉時代創建といわれる北相模の古社です。御祭神は「古事記」「日本書紀」に伝わる第14代仲哀天皇の皇子で後に、第15代天皇となる応神天皇(誉田別命)が主祭神として祀られています。

関東大震災後の昭和初期に建築された御社殿は80余年の風雪に耐えましたが、老朽化が進んだため参拝される方への利便性や安全性に配慮し、ご鎮座八百年奉祝記念事業として【平成の御社殿・御神門等御造営】が計画されました。

今回の工事は(株)日本建築工藝設計事務所が設計、松井建設(株)が施工し、弊社は錺金具、掛灯龍(かけどうろう)の新規製作を請け負いました。

総檜造(そうひのきづくり)の御社殿は権現造で、屋根が銅板で葺かれています。本殿は流造、拝殿は正面大切妻入母屋造、向拝は縋(すが)る屋根付き大唐破風(からはふ)造、拝殿からは回廊が東西にめぐり、正面に切妻屋根(きりづまやね)の神門が配置されています。

内・外部の各錺金具は、今回のために描かれた意匠(絵様)を基に銅板を打出し、鏨(たがね)で文様を付け、金箔押 (漆箔)により仕上げ、上部の屋根廻りから順次各箇所に取り付けました。回廊、神門の扉廻りを含め、種類と数量の多い内容になりました。

金箔押の金具が白木造の御社殿・御神門や銅板葺の屋根に溶け込み、見事に荘厳な調和を醸しだしています。金具の紋章や化粧裏板の空気孔の意匠には亀が題材として用いられ、亀ヶ池八幡宮のイメージをより強く表現しています。

金工部の職人もベテラン、中堅、新人と各作業を通じて技術を伝えるなど、大変得るもののある工事となりました。

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