重要文化財

香取神宮

かとりじんぐう

所在地:千葉県香取市香取1697

工事名称:香取神宮 拝殿・神饌所(しんせんじょ) 外部保存修理工事

工期:2012年8月~2013年10月

漆塗 彩色 錺金具

「香取神宮」は、下総国一宮として古来より人々の崇敬を集めてきました。千葉県北東部香取市内、東西に流れる利根川下流域南岸からおよそ2km。「亀甲山」と呼ばれる丘陵に鎮座しています。亀の甲羅に似ていることからその名があるとも言われる香取神宮の森。 現在ではその全体が、県の天然記念物に指定されています。

市街地にある一の鳥居をくぐり、山を登って香取神宮の森へ。土産物店が訪れる人々を出迎える門前の先で、弁柄色の大鳥居が鬱蒼と生い茂る参道に美しく映え、神域の入口にふさわしい美観を呈しています。総門・楼門を潜ると正面に姿を現すのは、建物全体に黒漆塗が施され、極彩色が際立つ御社殿。今回の工事では、拝殿・神饌所と本殿の一部の施工を担当しました。

本殿(重要文化財)は、檜皮屋根葺き替えに伴う箱棟黒漆塗および千木・勝男木・鬼板・箱棟の錺金具の金箔押(漆箔)補修をしました。

拝殿(登録文化財)は、北面を除く三面の塗り替え。漆は箱棟(はこむね)黒漆塗、破風・垂木内法長押より下の上塗り直し等。

建具は、外部を上塗り直し、内側を摺り漆を行い、ガラスと戸車(とぐるま)を交換しました。

彩色は垂木下より内法長押および向拝金蘭巻等を描き直し。

錺金具は垂木・建具・高欄(こうらん)・木階(きざはし)等金箔押(漆箔)補修。

仮設工事、大工工事および檜皮屋根葺き替え工事は谷上社寺工業(株)による施工です。

黒漆塗単色で仕上げられた建物は、組物や金欄巻の極彩色をより引き立てています。また、建具にはぐるりと面に朱塗を施し、アクセントとして一層効果的な印象を与えています。

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