県指定文化財

上野総社神社

こうずけそうじゃじんじゃ

所在地:群馬県前橋市元総社町1-31-45

工事名称:上野総社神社 本殿 保存修理工事

工期:2013年2月~2013年10月

漆塗 彩色 錺金具

「上野総社神社」は、群馬県庁、前橋市役所から西へ約2mkという平坦な市街地に位置します。一の鳥居をくぐり境内へ足を踏み入れると広く明るい境内に、参道がまっすぐ社殿へと続きます。境内では頻繁に遺跡調査等発掘作業も行われており、この土地がさまざまな歴史を持ち、永い時を重ねてきたことを感じさせます。

拝殿は平入の入母屋造で正面に千鳥破風(ちどりはふ)と唐破風(からはふ)を飾り、拝殿背面に、本殿が建てられています。今回の工事では、本殿の漆塗・彩色・錺金具工事を担当しました。

本殿は間口三間・奥行二間の三間社流造で、全面に彩色されておりましたが、全体に退色・剥落が進んでいました。特に西面は直射日光の影響を大きく受けており、修理方針は各工事関係者により検討されました。

その結果、垂木および切り目長押(きりめなげし)は黒漆塗、柱より下は弁柄朱漆塗。破風板は黒漆塗と弁柄朱漆で塗り分けました。建具は黒漆塗に面朱、鏡板は漆箔および緑青(ろくしょう)を施しました。

垂木下より内法長押の彩色ほか、蟇股・手挟み・獏・脇障子は彫刻彩色となり、扠首(さす)羽目には龍、大羽目は松・竹・梅が描かれています。長押より上は剥落止め補筆を行い、それより下は描き直しました。錺金具は金箔押(漆箔)を施しました。

元請は(株)町田工業(群馬県)で、塗装工事のほか、仮設工事と大工工事およびこけら葺き替えを実施。本殿は約20年ぶりの大々的なお色直しとなりました。

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