「漆」は特有の輝きを放つ艶と深みのあるその色合いから、
古来、荘厳の表現として日常と聖域を視覚的に区別するために
効果的に取り入れられてきました。
会社の起源となる「漆塗」という仕事の目指す頂き―
それは一点の曇り無い塗りを行うこと。我々塗師の目指す仕事が此処にあります。
施工前
下地付
中塗り
完成
一般的な色漆(黒漆・弁柄漆・朱漆など)の工程は「素地調整」「下地付け」「中塗」「上塗」に大別され、順に進められます。仕様次第でその工程は三十にも及び、装飾的なものでは、更に螺鈿や蒔絵などが加飾されます。生活の中でも身近な存在である漆。よく知られた、そのしっとりと塗り上げられた美しい塗膜の下には、実に幾重にも亘る地道な作業と、天然樹脂を扱うならではの気候条件との闘いが隠されているのです。弊社では江戸時代より日光の建造物を始めとする神社、仏閣の漆塗り修理に参加し、先輩陣が残してくれた精神や伝統技術をまた次の世代へと引き継ぐべく、努力を日々重ねております。
小西美術工藝社では、小さな工芸品から、大きな建物に至るまで様々な規模の漆塗り施工を扱い、国宝、重要文化財など指定物件から未指定の物件まで修理、新規制作と幅広く手掛けております。